そんな中話の最中に出てきたのがすばる望遠鏡。当時は組み立てが終わって試験運転を開始し始めたとか行っていたように思います。完成当時は世界屈指の光学赤外線望遠鏡でしたし、今でもその地位は揺るがないものであると思います。すばる望遠鏡は、標高4,200mのハワイ島マウナケア山頂にあります。
最新の技術をもりこんだこのすばる望遠鏡の一番に目を見張るところは、やはり単一鏡としては世界最大の口径8.2mをもっていることでしょうか。世界一大きく、滑らかに磨かれた鏡は、0.014ミクロンという誤差の鏡面精度でコンピュータ制御されています。この鏡によって捉える光の量は今までの比べ物にならないですし、それだけ解像度が高い画像が見られています。
しかし、地上の望遠鏡はどうしても地球の大気の影響を受けてしまいます。大気のゆらぎのため、これまでは望遠鏡が本来もつ空間解像力を十二分には活かせませんでした。まあある意味これは、地上にある望遠鏡の宿命かなと思っていました。実際、すばる望遠鏡の 理論的解像力 (回折限界) は、波長2μmの近赤外線では0.06秒角にもなるのですが、大気のゆらぎが少ないハワイ島マウナケア山頂でも、実際の解像力は平均値で約 0.6秒角程度と10倍も悪くなってしまいます。
これを解決するために、大気のゆらぎによる光の乱れを測り、その乱れをリアルタイムで補正して本来の空間分解能を達成する技術が「補償光学」とよばれています。すばる望遠鏡の補償光学 グループは、1990年代後半に第一世代の36素子補償光学系を開発し、平成12年から世界中の天文学者に公開してきました。
この素子補償光学系と呼ばれるものは、端的に言えば鏡を組み合わせたもので、大気のゆらぎによる光の乱れを検出してそれ基に表面を瞬時に微妙に変形させ、ゆがみを相殺するというものです。
そして今回、平成14−18年度の文部科学省科学研究費補助金特別推進研究「レーザーガイド補償光学系による遠宇宙の近赤外線高解像観測により、性能を格段に向上させたすばる望遠鏡第2世代の補償光学系として開発したのが、188素子補償光学系とレーザーガイド星生成システムです。
レーザーガイド星生成システムというのは、レーザービームを望遠鏡から照射して、上空90キロ付近の高層大気中のナトリウム原始層のナトリウム原子を光らせることで、人工的にガイド星を作ることが出来ます。これによって、場所を選ばず、どこでもこの人工星を基準に補正を行うというのが今回のシステムです。
これらによって、すばる望遠鏡の視力を10倍になり、これまで明るいガイド星がそばに無いため補償光学系を用いた 観測ができなかった遠方の銀河や球状星団の観測、クェーサーや超新星、ガンマ線 バースターの観測などを可能にしますので、これから、これらの装置を使ってさまざまな新しい発見が続くことと期待されますね。
それにしても、多くの技術が新しく開発されたことによって、ここまで出来るとはまさに恐れ入りました。という感じです。これによって、すばる望遠鏡のもっている理論的な解像力はほぼ達成できるということだそうです。今でもかなりの発見をしてきているすばる望遠鏡に更なる成果をもたらしそうですね。
夜空の星を見上げるとき、同じようにしてハワイからはすばるがその空を見上げている。人間には到底見ることが出来ない広大な宇宙の姿を思い浮かべると、なんだかすごいですよね。
